雨の音に紛れて、車が近くに停まる音がして、そのすぐ後に銃声が響いた。 自分達の戦いを監視していた少年が殺されたのだと、 流れて来た血の気配で悟った。 その少年は、どうやら一代目と行動を共にしていたらしかった。 世界中を巻き込んだ戦争が終結し、 その戦争のどさくさに紛れてこの国にやってきた化け物を、 焼け野原と化した地でずっと庇い続けていた、貧しい農家の少年。