姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




誰の声だろう。

酷く懐かしく、優しい声。

それが分かっているのに、

記憶の声は砂嵐が巻き起こったように不鮮明で、頼りない。

剣太は、意識を集中させ、焦点を一つに絞った。

薬を飲む度に思い出し、分からなくなっていた過去の自分。

それが、取り戻せそうな気がした。