先ほど、彼の拳が鉄骨に当たった時に、その部分が粉々に弾けたからだ。 油断してまともに食らえば、確実に命取りになる。 だが剣太にとって、その力は妬ましいものだった。 かつて、自分が持っていた怪力と同じだったからだ。 手足がこんな兵器にさえなっていなければ、簡単に出せた力。 組織に無理矢理もぎ取られた力…… しかし、吸血鬼の心臓と引き換えに、再び得られる力。