彼は、「お前も考えた方がいいぞ。 ぞうせもう、この世に『幸せ』なんてない。 こっちの命がある限り狙われ続けて、永遠に迫害されるだけだ」と言った。 確かにそうかもしれなかった。……あの時代は。 だが、それでもエリアルは生きた。 まだ解らない事が、たくさんあるのだ。 答えを探し切れていないのだ。 だからそれから程なくして、朝日を浴び続けて灰になった男の噂を聞いて、 素直に彼の死を悼む気持ちになれなかった。