姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




彼は、「お前も考えた方がいいぞ。

ぞうせもう、この世に『幸せ』なんてない。

こっちの命がある限り狙われ続けて、永遠に迫害されるだけだ」と言った。


確かにそうかもしれなかった。……あの時代は。


だが、それでもエリアルは生きた。


まだ解らない事が、たくさんあるのだ。

答えを探し切れていないのだ。

だからそれから程なくして、朝日を浴び続けて灰になった男の噂を聞いて、

素直に彼の死を悼む気持ちになれなかった。