長い放浪の末にやっと見付けた、幸せな生活。 絶対にこれは、守るべきなんだ……。 エリアルが窓辺に立つと、遠くのビル…… 人の肉眼では到底見えないだろう人影が、自分を見ているのに気付いた。 「……仕方が無い、か」 不意に、昔出会った吸血鬼が、 「俺はもうすぐ死ぬんだ」と言っていたのを思い出した。