姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




ただ、河合が急にげらげらと笑いだした事は、

おぼろげながらに理解できた。


そしてそのまま、河合はどこかへ行ってしまった。

 
一人残された剣太は、膨大な渦に飲まれた。
 
博士、懐かしい街の風景、勉強部屋、数式、ランプの光、

渡された地図、一人の旅、出会った人々。

……そこで記憶は途切れ、次に始まる記憶の一番最初にいたのは……。
 

――巨大なガラスケースに入った、『何か』。
 

そしてその次に浮かんだ少女の顔は、


出会った時の穏やかな笑顔で。