少しは手が痛くなったが、コンクリートの塊を手刀で割った時に比べたら、 気にするほどではなかった。 エリアルは遠い昔の記憶を手繰り、溜め息を吐いた。 吸血鬼になって、『自分』の変化に漸く慣れた時の事。 外見と実年齢に、開きが無かった時代の事を。 (……あの時は、本当に若かったなあ) 若いとは、無知であるという事でもある。 知らないから、何でも出来ると思っていた。