保冷剤は、凍っていなかった。 それどころか、どこにも見当たらない。 「……仕方ないな」 エリアルは、小夜子に保管場所を訊こうと思ったが、 一歩踏み出したところで止めた。 とりあえず、青いべたべたの湿布薬、 (熱冷ましだと言われたが、彼はいまいち理解出来ない) を額に貼り付けた病人の気分を害してはいけない。