姉さんがセレナに攫われた時も、そうだ。 というより、もっと言ってしまえばエリアルが来た時からそうだ。 姉さんは一体、どれだけ波乱万丈な人生を送るつもりなんだろう……。 俺が、深く溜息を吐いた時。 すぐ近くで声がした。 「ただいま、孝……」 もう、姉さん遅いよ何してたんだよと言いかけた時、俺は自分の目を疑った。 エリアルが、死にそうに弱っていた。