(ええい、頑張れ俺!読める読める) 自己暗示をかけながら、俺は手紙に目を落とした。 しかしそんな時、 ――パタッ、ポタッ…… 落ちて来た水滴で、ふと手紙のインクが滲んだ。 「あ、雨かよ……!?」 妙に風がねっとりと生臭いと思っていたら、あっという間にこの天気だった。 俺は、屋根の下に避難した。 「ちっくしょー……」