「え、何?」 小夜子は、自分が聞き逃したものだと勘違いした。 だがエリアルは、 「いいや、何でもない。君は、知らなくていいよ」 「何それーっ!」 「あはは、内緒」 そして、力無く笑った。 空はもう暗くなっていた。 しかし、完全に日が暮れてから、ゆっくり帰ることにした。