何故だか、その声は剣太の胸にずきりと刺さった。 見ると、小夜子は泣いていた。 それは、次には自分が殺されるからかもしれない、 という恐怖からくる涙ではなかった。 彼女はこの吸血鬼を大切に思っている。 その相手が傷付けられた為に、この涙が流されている。 その瞬間、剣太の中に特別な感情が生まれた。 ……何なんだ、この不快感は。