剣太は、厳しい顔をしていた。 薄暗くなりかけている空の下、彼の姿はいつにも増して、迫力があった。 「何故、逃げたんだ。何か、知ってるのか……」 小夜子は何も答えなかった。 頷きも、否定もしなかった。 すると、業を煮やした剣太は、小夜子に歩み寄り、 「……答えろ。俺はただ、本当の事が知りたいだけだ」 「知って……どうするの……何を、するのよ……」 「状況に相応しい対処をとる。――駆除だ」 心臓を抉るような、冷たい言葉だった。