幸い、定期券はポケットに入っているので、手ぶらでも一応帰宅は可能だ。 どうせ、鞄の中の財布には、大した金額など入っていない。 大丈夫、いけるいける。 (それにしても、私が血を吸われたからって、 それが何だっていうの……?) 嫌な予感がした。 まさかまた、セレナのような事になるのではないのだろうか。 去年の暮れ起こった事件。 小夜子はその時人質として、吸血鬼セレナに攫われたのだ。