そういえば、私が幼稚園児の時に仲良くしてた男の子も、御曹司だったっけ…?

 あんまり覚えてないかも。

 だって私、記憶レス少女ですから…(笑)

「まぁ、俺が頼めば遊園地にすぐ入れるけど、どうする?」

「佳主馬くんはどうしたい?」

 私が聞くと、佳主馬くんは眩しい笑顔で言った。

「俺は姫とたくさん遊びたいなぁ」

「じゃあ、すぐ入りたい」

 私の言葉に、佳主馬くんは頷いて、運転士さんに何かを囁いた。

 二人っきりで遊ぶのって、臨海学校以来だなぁ…。

 なんて考えていると、佳主馬くんは私の胸元に目を留めて。

「つけてくれてるんだ…」

 私は、佳主馬くんにもらったペンダントを付けているんだ。

「うん。最近のお気に入りだよ」