俺は目が覚めた。 カーテンの向こうはまだ暗い。携帯を取り出して、時間を確かめる。 げ…。まだ二時じゃないか。 もう一眠りしたいが、できない。 奏(カナデ)も瞼をこすりながら上体を起こした。 俺と奏が起きた理由。 簡単だ。 修哉の歯ぎしりがうるさいから。 こいつ、エリートな銀行員には向かないかもな。 俺は耳栓を持ってこればよかったな、と軽く後悔した。 布団に潜りこんで、無理矢理目を閉じる。 …やっぱりねむれねぇ!