不意に言われ、私は驚いた。

「え?」

「言ってなかったっけ?白馬の王子様が来てくれないかな、って」

 そういえば、最近までほんとうにそう思ってたんだっけ。

「でもさ、よく考えたら白馬って道路を走れないよね」

 私が笑いながら言っても、佳主馬くんは妙にマジメな顔をしていた。

「…?あの、佳主馬くん?」

「俺が王子じゃ、ダメかな?白馬はいないけど、俺は王子になれないか?」

 ドキッ。

 胸が高鳴った。

 佳主馬くんの顔がまともに見れない。

「…返事は辛抱強く待つから」