梨桜SIDE

 バスを降りて、番号の人を探す。

 ロッジの前が、ペア探しの人たちで騒がしくなった。

「65番の奴ー?」

 その声で、私は足を止めた。

 誰だろう。

 私も、65番なんだよね。

「私、65番!!」

 私が言うと、声の主が現れた。

 長身で、髪は藍色。色白で、睫毛が長い。

 黒いタンクトップで、白いパーカーを腰に巻いている。ベージュのズボンの男の人。

「やぁ、梨桜」

 その人は、親しげに話しかけてきた。