私は頬を膨らませてみせた。 「龍太の、意地悪」 龍太が腕で額の汗を拭う。 学校の前にある坂道を急で、登校時は上り坂だから、疲れる。体力の消費がハンパじゃない。一応運動部なのに〰〰。 「おいおい、大丈夫かよ」 龍太が私の背中に触れた。 心臓が、跳ね上がる。 顔の体温が急上昇する。 なんでこんなにドキドキするんだろ。 龍太は、恋愛対象外なのに。 「梨桜、顔真っ赤」 龍太に言われた。