梨桜が手をパタパタする。こいつは鳥か。

「龍太!やめてよ!」

 俺は撫でるのをやめた。

「恥ずかしがってるってことは、俺のこと…好きってこと?」

 俺の質問に、梨桜は耳の端まで真っ赤になる。

「す、好きじゃないよ!!」

 …なんか、何気に傷つく。

「プレイボーイなんて、眼中にはないんだからね!」

 …フラれた。

 別に俺は、プレイボーイなんかじゃないんだけど。

 ただ、梨桜に思いが届かないから、嫌になって、他の女で気を紛らわす。そうしてる間に、俺はプレイボーイ…みたいになってる。だけど、別になりたくてなったわけじゃない。

 だけど、その胸の内を、梨桜にだけは言えなかった。