「啓太、私、アンタと幼い頃に会ったこと、あったっけ?」

 私の言葉に、啓太は小さく笑った。

「やっと思い出したのかよ」

 …?

「俺、お前が思い出してくれるの、ずっと待ってたんだぜ?」

 その言葉に、私は驚いて。

「え?」

「だってお前、忘れないって言ったのに、コロッと忘れるんだもんな」

 夢は、やっぱり過去の断片だったみたいだね。

「幼なじみのこと忘れるとか、マジであり得ない」

 途端に、記憶がいっぺんによみがえる。