やっと、言えた。

 俺の言葉に母さんが、目を見開いた。

「啓太…?」

「俺さ、母さんに幸せになってほしいから」

 直後、俺は母さんの腕の中にいた。

「母…さん?」

「啓太…」母さんが俺の耳元で呟く。「ありがとう」