あの言葉、嘘だったのかよ。

 俺は、ベッドに寝転んだ。

 結局、母さんに再婚のことは言えなかった。

 言いたいのに、言えない。

 本当に言いたいことほど、言葉にできないとか言うけど、これのことかななんて思ったりする。

 そのとき、部屋のドアが開いた。

「あ、かあさん」

「啓太、あなたが嫌なら、私…再婚は取りやめにするわ」

 母さんの言葉に、俺は驚いて、飛び起きた。

「今、なんて!?」

「だって、再婚が原因であなたにストレスが溜まったら困るでしょ?だから、私――」

「なんでやめるんだよ!やめんなよ!俺は、母さんに新しい人生を歩んでほしいんだよ!」