俺は梨桜の頬に触れた。

「梨桜」

 梨桜が目を開ける。梨桜は立ち上がって、

「おなかの調子、どう?」

 だから、痛いのは腹じゃなくて、股間だっつうの。

「腹は痛くない」

 俺が言うと、梨桜が首を傾げた。

「だって、おなか押さえてたじゃん?」

「股間が痛かっただけ」

 梨桜の顔が真っ赤になる。トマト並に赤くなり、彼女は口を開いた。

「わ、私、龍太がおなか痛いのかと思って、湯たんぽ代わりになってたのに!おなかじゃなかったの!?」

 梨桜は天然だ。湯たんぽ代わりに男の腹に乗るって、重症だ。