龍太SIDE

 俺は、腹が重くて目を開けた。

 窓から差し込む光は赤い。もう夕暮れってことか。

 俺が倒れたのは、昼ごろだったから、かなり時間が経っている。…つか腹減った。

「…ん」

 梨桜の声が、すぐ傍で聞こえて俺は驚いた。耳を疑う。

「…おなかすいた……」

 …?

 俺は、起き上がろうとして、腹の上に梨桜の頭が乗っかっていることに気付いた。道理ですぐそばで、声が聞こえたわけだ。

 俺の右手を梨桜が握っている。

 顔の体温が急上昇した。