「ダメよ、普段通りに動いたら。靭帯損傷してるかもしれないから」

 …へ?

「靭帯損傷?」

「そうよ。事故のときにやらかしたんでしょうね…」

 …やっぱり今日は、ツイてない日だ…。

「でも、本当に不幸中の幸いね。天土くんが自転車置き場をたまたま通りかかって」

 そういえば、そうだよね…。って、本当は踏切だけど。

「あの、啓太くん――天土くんは、私の名前を知ってたんですか?」

「そういえば、知ってたみたいよ?なんK、あ保健室のドアを叩いて、『千花がけがしてるんだ!』って怒鳴ってたわよ」

 …なんで、知ってるのかな?

 苗字なら制服に書いてあるからわかるとして、下の名前知ってるなんて、おかしくない?だって、啓太は転校生なんだよ…?