廊下の壁に体を押さえつけられた。

「龍太…?」

「それと、ごめん。勘違いされるような会話して、ごめん。俺がもっと会話に気を付けてたら、こんなことにならなかったのに…」

 私は首を横に振った。

「私こそ、ごめんね。龍太のこと、信じてあげられなくて」

「梨桜…。俺が本当に愛してるのは、お前だけだよ」

 その言葉がくすぐったい。

「ありがと、龍太。私もだよ」

 私が言うと、龍太は私から離れて、私の向かい側の壁まで後ずさると、両手を広げた。

「来いよ。ほしいなら、俺のことがほしいなら、俺のとこまで来い!」

 私は、龍太の腕の中に飛び込んだ。