第一、なんで電話してたのか聞いてないし!

「梨桜、かわいい」

 龍太がまだ言い続ける。

 恥ずかしくなってきて、私は龍太の口を塞いだ。

「言わなくていい!」

「じゃあ、わかったんだ?俺の言った意味。俺がお前だけを愛してるって」

「わかるわけないじゃない!デートの日に、別の女子と電話してるなんて、酷すぎるよ!」

 私が言うと、龍太は「ふーん?」と呟いた。

「じゃあ、一つ言うけどさぁ…?梨桜はどうなわけ?」

 どう…って聞かれても。何がどうなのかな?

「何が」

「俺以外の男と、キスしてたよね?」

 …!

 まさか…。