俺は、佳主馬の次の言葉を待った。

 佳主馬は左手を地面に着いたまま、右手で涙を拭った。

「好きとか嫌いは、金でも顔でもないって…。好きって気持ちは、ピュアな心だって信じたいって…!その時な、姫が選んだのは俺じゃなくて、お前だった!」

 俺は驚いて、反論しようとした言葉も、全て失ってしまった。

 佳主馬の言葉が衝撃的過ぎて、頭の中が、真っ白になった。

「今、お前…なんだって…?」

「だから、姫は俺よりもお前を好きだって言ったんだ!!」

 梨桜が、佳主馬じゃなくて、俺を―――?

 確かに、結局のところは俺と梨桜が付き合う形になったけどさ。

 佳主馬は、いつそんな話したんだ…?

「お前ら、いつ話し――「姫がそれ言ったときさ、正直悔しかった。ガキんときから、姫は俺のこと好きなんだって思ってたからさ」