龍太SIDE

 直後、梨桜が抱き着いてきた。

「りっ…!」

 緊張のあまり、言葉が出ない。

「私が好きなのはっ、龍太だけだからっ!」

 梨桜が、俺を見上げて言った。

 上目遣いと、梨桜の感触を感じて、体温が急上昇。

「梨桜…!?」

「好きだよ…!」

 梨桜の髪から、カモミールの匂いが漂ってきた。

「梨桜…」

 俺は、梨桜の背中に腕を回した。

「俺だって、本当に好きなのは梨桜、君だけだ」