…ここはあえて無視。 「もう勝手に入っちゃっていいわよ」 …何言ってんだよ、母さん。 入っていいわけが…。 「え、でも…」 梨桜が戸惑ったような声を上げる。いいぞ…そのまま、引き返してくれ…。 「平気平気」 …そこでなんで平気とか言うんだよ、母さんは。俺のことも少しは考えろっての。 ドアが開いた。 足音が近づいてきて、電気がつく。 「暗い中で、何してるの?」 梨桜が、不安そうな、怯えたような顔をして言った。