梨桜が、龍太にバトンを渡した。 龍太が走り出す。 認めたくはないが、龍太は運動神経がいい。 俺なんか、比にならないくらいだ。 「…龍太、行け!!」 幸也が叫ぶ。 さっきまで応援に必死になっていた蓮は、フラフラの梨桜を抱きとめている。 梨桜に惚れている俺にとっては、そんな光景は見たくないもので。 俺は目を逸らした。