龍太SIDE

 二人の後をつけてみると、二人は自販機の近くで向かい合っていた。

 キスでもするつもりか…?

 俺は会話が聞こえる距離まで近づいた。

「俺は御曹司だよ?お金を持ってる。君に不自由はさせない」

 まだ、二人は付き合ってなかったんだ!

 俺は安心した。

 梨桜は、何も言わない。

「……だから、なんなの?」

 少しして、梨桜が今までにない、厳しい口調で言った。

「だから、龍太なんかとくっつくより、俺とくっついた方が君は幸せになれる」佳主馬は、尚も続けた。「それに俺のが君と吊り合うよ。美男美女で」

 俺がブスだって、そう言いたいのかよ…。

 俺は、拳を固めた。

「そんなの、関係ないよ!」