私の言葉に、佳主馬くんは嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとう、姫」

 姫、そう呼ばれることに、もうすっかり慣れてしまった。

「いえいえ」
 
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 帰りもリムジンで送ってもらった。

 遊園地は、佳主馬くんのおかげでいつもより倍もアトラクションに乗れたんだよ。

 すごく嬉しかった。

「俺さ、姫のこと…好きだよ」

 佳主馬くんが、マンションの玄関前で言った。

 夕日のせいか、それとも…

 佳主馬くんの顔は赤かった。

「え?」

「返事は辛抱強く待つから」

 それだけ言って佳主馬くんはリムジンの乗り込む。

 私は顔に触れた。なぜかすごく、熱かった。