「夏希(ナツキ)もう1回やるか?」

「えーいーのー?」

「うん」

夏希はニコニコしながらクジに駆け寄り回した。

「よいしょっ」

気合十分。勢いよく出た玉の色は白。
ハズレだ。

「お嬢ちゃん、またハズレだね。」
「うん…」

気の毒に思ったのかクジ引きのおじさんは、ポケットティッシュの他にキャラメルをくれた。

「ありがとうっ」
夏希はニコニコと微笑んだ。