「ホントに行くの?」

お母さんはすごく怖い顔で尋ねてきた。

「行く。珍しく興味が湧いたんだ」

「あぁ、そう…」

これから僕が行くのは、マジックハウスだ。いわゆる別荘に近い。
まさか、僕の家は至って普通の家庭であるため別荘なんてもってない。
祖父母だって、金は確かにあるとは思うし、本家は立派な分類だけど別荘を買うまでは手が出ない。

何故、僕がそんな別荘へ行くハメになったのかと言うと、それは数ヶ月前に遡る