ザクッザクッと土を掘り返す音が朝から響き渡る。風は乏しく吹き、太陽の光は波打つ丘に反射した。ラジオからは時報の音が聞こえやがて陽気なDJの声が聞こえてくる。
「はい、午後三時を回りました。生電リク!タメちゃんのミュージックアフター。DJはタメちゃんこと溜(ため)幸(ゆき)正則(まさのり)一人で頑張っているミュージックアフター。番組も始まって一時間を過ぎました。あと七時間ぶっ通しで頑張ります。ここで今夜明日の天気にいきたいと思います。天気予報士の矢島今日子姉さ~ん」
「は~い、矢島ですって目の前にいるじゃないですか。遠くにいるような呼び方しちゃって!」
「ところで矢島さん、今夜から何か天気悪いようですね」
「そうなんですよ。今夜夜半頃から大雨になるんです」
「大雨ですか?こんな天気がいいのに」
「はい、夜半から降り始める雨は今日だけじゃ収まらず、明日も一日中雨に見舞われるでしょう」
「みなさん、夜お出かけの方は傘を忘れずに!」
「強風注意報も出てるんで外には出ない方がいいかもしれないですね」
「そうですか。それじゃあ傘も役に立たないですからね。土砂崩れの恐れもありますから今夜は大人しくこのラジオでも聴いて……」
「うまいですね」
「今日は八時間ぶっ通し生電リクスペシャルですからね」
「頑張ってください」
「頑張りますよ。天気予報士の矢島今日子さんでした。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「さあ、まだまだ続きますよ。番組始まってまだ一時間。ジャンジャン電話もかかってきていますミュージックアフター。続いてのリクエストは、橋本孝夫さん三七歳、ピンクレディーでUFO!」
ピンクレディーのUFOが流れ続けていた。ザクッザクッと土を掘り起こす音が聞こえる。
「パパ~、パパ~」美月が駆けてきた。その声に気づき、倉岡直也は曲げていた腰を真っ直ぐ立たせた。「どうした?」直也は優しい口調で聞いた。「ううん、何でもない。ただパパがいなかったから。パパ、何やってるの?」美月は上を見上げていった。
「これか?ちょっとな、この土地を耕して畑を作ろうと思うんだ。この小高い丘の上に畑を作ると気持ちいいだろ」
「はい、午後三時を回りました。生電リク!タメちゃんのミュージックアフター。DJはタメちゃんこと溜(ため)幸(ゆき)正則(まさのり)一人で頑張っているミュージックアフター。番組も始まって一時間を過ぎました。あと七時間ぶっ通しで頑張ります。ここで今夜明日の天気にいきたいと思います。天気予報士の矢島今日子姉さ~ん」
「は~い、矢島ですって目の前にいるじゃないですか。遠くにいるような呼び方しちゃって!」
「ところで矢島さん、今夜から何か天気悪いようですね」
「そうなんですよ。今夜夜半頃から大雨になるんです」
「大雨ですか?こんな天気がいいのに」
「はい、夜半から降り始める雨は今日だけじゃ収まらず、明日も一日中雨に見舞われるでしょう」
「みなさん、夜お出かけの方は傘を忘れずに!」
「強風注意報も出てるんで外には出ない方がいいかもしれないですね」
「そうですか。それじゃあ傘も役に立たないですからね。土砂崩れの恐れもありますから今夜は大人しくこのラジオでも聴いて……」
「うまいですね」
「今日は八時間ぶっ通し生電リクスペシャルですからね」
「頑張ってください」
「頑張りますよ。天気予報士の矢島今日子さんでした。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「さあ、まだまだ続きますよ。番組始まってまだ一時間。ジャンジャン電話もかかってきていますミュージックアフター。続いてのリクエストは、橋本孝夫さん三七歳、ピンクレディーでUFO!」
ピンクレディーのUFOが流れ続けていた。ザクッザクッと土を掘り起こす音が聞こえる。
「パパ~、パパ~」美月が駆けてきた。その声に気づき、倉岡直也は曲げていた腰を真っ直ぐ立たせた。「どうした?」直也は優しい口調で聞いた。「ううん、何でもない。ただパパがいなかったから。パパ、何やってるの?」美月は上を見上げていった。
「これか?ちょっとな、この土地を耕して畑を作ろうと思うんだ。この小高い丘の上に畑を作ると気持ちいいだろ」
