「これ食べて~」

「あっ!わたしも~」

「じゃあ、おれも~」


ボトボトボトッ・・・。

にんじん、玉ねぎ、キャベツ・・・。

いろいろ入れてくる。

自分の存在があるだけで、まだマシ。


増えていくおかず。

皿からあふれ出た。


ぼーっと、そのお皿を見つめる。


やっぱり、加奈子の霊は、こっちを見て笑っている。


痛い。

ココロが剥がれ落ちる。


気持ちが崩れる。


ガラガラ・・・、

それは、岩みたいに。


唇をかみ締めて、涙をこらえる。


じわっ・・・・

唇から血が滲み出る。


痛い。


痛い。


痛い。


口が痛い。


ううん・・・。




ココロが痛い。



私の心は確かに崩れていく。

「どうして・・・」


涙がぼろぼろ出てくる。

ためていた涙。