自分は泣きわめいて、日に日に体力を落としやせ細った病人のような状況になっていくのに、彼女はそれすら感じさせない。なんだか自分がみっともなく思えて来るくらいだ。 なんだか可笑しくて、力なく笑うと彼女は気を良くし寧々(ねね)と名乗った。 それが、始まり。 アルトはその後、彼女の存在に強く興味を寄せ、実験が終わって檻の中に戻って来る度に、隣人である彼女と仲を深めるようになっていった。 ────いつしか、それが恋慕に変わり彼女を愛おしむまで。 (まだ、世界に希望を見ていた頃の話だ)