いい線いってるねー、と神奈が感嘆する。
「半分正解」
「半分?」
「そう。死体はね、動いたの」
アルトも月も、彼女の言葉に静止した。
動いた?死体が?
神奈のいう事は全く現実味を帯びていない、心の臓が止まったそれが、動くわけはないのに。
「……なるほどな」
納得、と頷くアルトに月は驚愕した。
「え?なに、どういうこと?」
「お前も見ただろ…教会に現れたあの化け物と同じような道理ってわけだ」
とっくに死を迎えているはずの生き物、あの時も確か、とっくに死んでいてもおかしくない状態だったはずなのに辛うじて生きていた。姿はあの時の方が歪だったけれど、此処にいたという化け物は人間のカタチをしていたのか。
ひやりと背筋が凍りかけた時、アルトの手が私の頭に乱暴に手を置いた。
「うわっ、」
「死体は何処かへ消えた。…多分、改良されてるな」
「か、改良?」
「この前見たのも、多分ここにいたのも元は人間なんだよ」
「まさか、」
今度は神奈が驚いていた。
アルトは私の頭から手を離して冷静に何処か遠くを見つめる。
月も頭を掻き回された事を不思議に思いながら、アルトの言葉を待っていた。

