神は誰からも裁きを受けられない。
それ故、罪悪感に苛まれた。
ずっと、永遠に消えない秩序に反した罪。
罰はそれを永遠に忘れることなく、苦しみ続けること。
そして、少女を消すこと。
絶望に暮れた少女は消えることを望んでいた。
けれど、愛する少女を消すことは自分の身を切り裂くよりも辛い。
それなら、と。
神は自分と少女を入れ替えた。
そして、少女を___自分を消した。
少女だった神は、なぜ自分が神になったのかわけもわからず、しかし誰も自分のことを嫌わない世界で幸せに生き続けた。
神だった少女はこれでいいと、涙を流しながらふわりと消えた。
少女だった神が、神だった少女に感謝することはないだろう。
そのものの存在にさえ気付くことはないかもしれない。
しかし、それでいいのだ。
神が少女になり、自分を消したのは、愛する少女を消したくないが故の我が儘だったのだから。
end
