しかし、それは叶わなかった。
なぜなら、少女が人間ではなかったからだ。
少女は、世界の歪みから生まれた人間のようなもの。
神はその存在に気付いていながら、なにもせずに放置して、そのせいで少女は辛く寂しい、悲しい思いをした。
だけど、それは過ぎたこと。
過去をどうにかすることは神でも出来ない。
守られるべき秩序が世界にはあるのだから。
しかし、それなら少女は秩序に反するものである。
世界の歪みから生まれたものは神が消さなければならない。
それを神はなぜしなかったのか。
それは、神が少女を愛してしまったから。
神は愛する少女を消すことができなかった。
