少女は小学生だった。
毎日深紅のランドセルを背負い、学校に通う普通の小学生。
ただ、他の人と違うのは、左右の目の色が違うこと。
右目は黒いのに、左目は深いブルー。
生まれたときから少女は左右の目の色が違った。
そのせいで、少女は不気味がられ、友達も出来ず、親にも嫌われている。
少女には弟がいて、弟は、それは可愛らしい子供だった。
少女の親は弟ばかりを可愛がり、少女はまるでいないもののようだった。
少女は寂しかった。
誰も自分のことを必要としてくれないことが悲しかった。
だけれど、少女はもう慣れてしまったのだ。
誰にも必要とされないことに。