ワガママ王子に溺愛されて。






「…………………………………………………冷たい」



「っ、あ、あの…っ、ごごごごごめんなさい…!」



崋王院くんが小さく呟いた言葉が聞こえた私はびくっと体を強ばらせて、すごい勢いで何度も頭をペコペコと下げた。


…ああ、廊下をすれ違っていく人たちがチラチラと私たちを見ている…。

恥ずかしい…。




「…あの、クリーニング代払います…!……………え、えと、崋王院くんの言うこと何でも聞くので許してくださいお願いします…っ!!」


何を言っても返事をしてくれない崋王院くん。不安になった私はついそんなことを口走っちゃった訳なんだけど…。



「…、!」



それまで崋王院の目は地面に向いていたのに、その言葉を聞いた瞬間に顔がパッと上がり、私は大きな瞳に見つめられた。





………………え?