あたしが、嘉川　禿摩（ｶｶﾞﾜ　ﾄｸﾏ）を好きになったのは、中1の春。

入学してきて、始めは、彼氏ほしいなぁっとか、思ってたけど、それほど、イケメンなやつはいない。
まだ、クラスのみんなの名前も覚えてないし、性格も知らない。

でも、唯一、一人だけ、あたしの大親友が、クラスにいた。
利根　美香乃（ﾄﾈ　ﾐｶﾉ）
あたしは、坂口　杏（ｻｶｸﾞﾁ　ｱﾝ）
あたしらは、最強の親友だ。
なんでも、相談できるし、しゃべるとメッチャ楽しい。
そんな美香乃が、相談をしてきた。
美香乃：「うちさぁ…気になってる人できた。」
杏：「マジで！？それだれっ？」
美香乃：「えーっとー…はずみくん!」
杏：「あっ、このクラスの高野　羽住（ﾀｶﾉ　ﾊｽﾞﾐ）かぁ…いいんじゃないっ！性格は、よくわからんけど、顔は、まぁイケてるしっ！！」
美香乃：「ありがとう。じゃぁ頑張ってみるね！」
杏：「うん！」

そうして、美香乃に先を越されたように感じた。
少しくやしかった。
あたしも、好きな人つくろっ！と決意した。
でもなぁ…これって頑張ってつくるより、自然と好きになるほうが、いいよね。っと、一人で、考えてた。