欲がないわけじゃない。 「欲ならあるよ。」 「それは聞いてみたいものだね。」 二年前、いや…三年前からだったかな? ずっとクリスマスの夜、サンタに願っていたモノがある。 「実は僕、結構欲張りなんだ。」 「一体何が欲しいんだい?」 きっと何年経っても、サンタが僕の欲しい物を運んでくることは出来ないんだろう。 だったら、自分で手に入れるしかない。 僕は亮治を指差した。 「僕へのプレゼントは、――アナタがいい。」