side春子


隣の席の小林くん。
あたしはずっと、彼のことが好きだった。

だけど、叶わぬ恋だということは分っていた。
彼は、雪先輩が好きなのだ。

だけど、今日。
彼の涙をみて、胸が痛かった。
雪先輩の代わりでいい。
彼の傍に、いてあげたい。

だから、あたしは…
雪先輩が彼を呼ぶように、呼んだ。

「――…蓮」

――と。


ずっと、傍にいるよ。
きっと、離れないから。
だから、お願い。
――笑って?

あたしは、

“代わり”で、いいから。