思わぬ言葉だったのか、悠太は目をまん丸にさせた。
「は? 何言って……」
「ねぇ、悠太。知ってるよ? 知ってるんだよ?
……悠太が、花を好きなことぐらい」
あたしがそう言うと、悠太は一瞬驚いて、すぐに目を逸らした。
「ごめんね、今まで。ほんとに、ごめん。でも、もういいよ。あたしは、もういいから」
もう、大丈夫。
だから、悠太が本当に好きな人と、一緒にいて。
「悠太」
あたしは、そっと悠太の手を握り、背伸びをして触れるだけのキスをした。
唇を離して、あたしは一番の笑顔で言う。
「悠太、今まで、いっぱい幸せをありがとう」
君との時間は、一番の幸せでした。

