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夏休み直前。
一般の公立校にとって、教室はサウナー状態。
そんな教室に、あたしは花と2人で話していた。
「結花、夏休みどっか行く?」
「んー海いく? ナンパされに。ははっ」
「ね、花火大会行こ」
「花火大会〜? お祭りならいいけど、花火大会は去年いって思い知らされたじゃん。
あそこは、カップルの聖地、だって」
「えー。じゃあ、結花は行く相手いるの?」
「いないよ、そんなの」
「作んないの?」
「作るもなにも、あたしは、天使だからさ〜。叶えてあげる方なの」
暑いからか、わけもわかんないことを言ってるあたしを、花は呆れ顔で見ている。
「それ言い訳にもなってないよ……」
「そーいう、花ちゃんはいるんですかー」
「いないよ。それに、あたしの彼氏は結花だもん」
「ははは……。花ちゃーん、現実みよーかー」
うん、嬉しいんだけどさ。
花さん、一歩間違えば百合宣言です、それ。

