抱きしめてくれるその腕も、 声も、存在も。 全部、全部、優しい。 抱きしめたまま港は私に座るように指示した。 港は屋上のフェンスに寄りかかりながら、 私を座ったまま抱きしめる。 港の足の間に港に背を向けながら座ってる私。 ちょっと恥ずかしいけど、今はそれより 話を聞いてもらいたいから。 「あのね、私のお父さんと、お母さんがね」 不思議、なんかさっきまでの緊張とか、恐怖とか そんなの全然なくなってしまった。 「離婚したの」 「.............」